身近な人を目標にするということ

若手の皆さんは、上司や先輩から『身近にいる人を目標にした方が良い』と言われることがあると思います。
私の感覚では、この進言、あまり腹落ちしていないです。
今日は『身近な人を目標にすると視野が狭まる』という私見を記事にします。
身近な人を目標にするメリット
視野が狭まると否定的発言から入りましたが、もちろんメリットもあります。
それは以下の通りです。
やるべきことがよく見える
身近な人を目標にすることのメリットは『すでに先人の正解がある』ということです。
そこから逆算して自分の不足分を洗い出し、一つずつ潰して行くことでその人に近づきます。
自分の現在地を定量的に評価しやすい
目標とする人と自分を対比し、現在地を見極めると、自分の不足分がよくわかります。
不足分を潰したら自分の成長を実感できます。
つまり、現在地、目標までの進捗、成長が可視化されやすく、モチベーション維持も比較的容易と言えます。
業務に直結するので成果が出やすい
会社の同僚を目標に立てた場合には、すでに同じ組織での正解を持っているので、非常に参考になります。
ある程度その人のキャリアをなぞるだけで成果に繋がりやすいのです。
身近な人を目標にするデメリット
ここまでだと、メリットだらけかもしれませんが、今日私が言いたいのはデメリットのところです。
以下に3つ、私見を述べます。
結局二番煎じ
極端な見解かもしれませんが、全く同じ考えや正解では独自性がありません。
ルーチンワークをこなす兵隊的な人なら良いかもしれませんが、仕事は+αをギブしてこそ。
真似ばかりであなたならではの+αは与えられません。
大人数のうちの一人でもよいならば、それも一つの選択かもしれませんが、目標を持つくらい意識の高い方ならば、それで良いはずがありませんよね?
しかし、メリットにも書いた通り、真似だけでもある程度成果が出てしまいます。
つまり、正解に対する考えが凝り固まっていき、視野が狭くなってしまいます。
創造性に欠ける
正解がすでにある。
この状況においては、人は思考をやめてしまいます。
というよりは思考のトルクが落ちます。
回転数だけが早くなり、とにかく成果にコミットする。短期的にはこれで良い場面もありますが、中長期的に自己成長に寄与しません。
その人以上になれない
憧れや目標になる人は、自分で現在の姿になったことでしょう。誰かの真似だけではないはずです。
その人の仕事のノウハウを手に入れるまでのマインドやプロセスは見えにくいもの。
表面的なコピーをしただけでは、その人が本質的に持っているものにはリーチできません。
目標設定は特定の人物ではなく『在り方』
真似するのであれば、その人の『やり方』ではなく『在り方』です。
当然、『あり方』を自分なりに解釈する必要があります。
そして、自分が理想とする『あり方』を自分で決める必要があります。
昨日、目標設定について記事にしました。
在り方について執筆しているので、こちらもご参照ください。
このように、目標は個人や名詞にしてしまうと、視野が狭まり、モチベーションも続きません。
また、中長期の自己成長を持続的にするためには、あえて解像度を落としてズームアウトした目標設定をしましょう!