中間管理職は常に仕事をトリアージ
私は31歳で係長になりました。
入社9年目という、ベテランというには小僧すぎ、若手というには甘えすぎななんとも中途半端な年齢でした。
とはいえ役割は役割。私は職務を全うし、かつ会社、組織にとっての役割+αを成果にできるよう努めてきました。
そこでの気づきは、『仕事はトリアージしなくてはいけない』ということ。
今日はその忘備録を執筆します。
トリアージとは

トリアージとは、災害や事故などで多数の負傷者が出た場合、治療の優先度を判断し、限られた医療資源を効果的に配分するための選定作業のことを指します。
つまり、日常業務に当てはまると、後工程へ与える影響度と時間的制約を加味して、適切な優先度を判断し、業務を組み立てること。ですね。
強いられるマルチタスク
上位者、特に中間管理を行う人は上からの要望と下からの要望に板挟みになります。
また、大きな組織では左右からもそれを強いられるでしょう。場合によってはナナメからも。文字通り、八方塞がりです。
依頼や問い合わせ、指示が殺到するタワーとしての役割は、マルチタスクが強いられ、パンクしかねないです。
マルチタスクなんてできない
能力云々ではなく、マルチタスクなんてできません。
最近は、選択と集中という言葉をよく耳にします。結局は、一つの作業をしている以上はシングルタスクです。
マルチタスクではなく、シングルタスクの連続が続くのです。
選択と集中。重要な役割に集中するために重要でないものを捨てろ。という教えですね。
選択と集中を補足
これにしっくりこない社会人は多いのではないでしょうか?私もそうです。
なぜなら、どれも重要で捨てることなんてできないから。
これは『捨てる』という表現がパワーワードすぎて、極端に解釈されるためだと思います。
私なりの解釈で補完すると、『捨てる』のではなく、『一旦温めておくと決め込む』、『60点で良いものは60点で着地させる』だと思います。
つまり、トリアージですね。
トリアージがもたらす弊害
トリアージして優先度が低い部類に選定された業務は、当然成果物の質が下がります。
そして、部下に見える部分はこれが大半です。上司の仕事において、重大にトリアージされるものは、多くは部下に開示できないのです。
上司がトリアージして高い成果物を出しているものは部下には見えず、低い成果物だけがオープンになってしまう。
そうすると、『あの人は適当なくせに上にいる』と揶揄されることが多くなってしまいます。
これは、トリアージする上司にとっては、受け入れなくてはいけないことです。
さらに、重要でないものにも期限があるので、遅らせたものの優先度は、時間経過につれて上がっていくことは忘れてはいけません。
上にも書きましたが、トリアージは『影響度』と『時間的制約』の2軸で考える必要があります。
まとめ
時間も労力も限られる中で確実な成果を出すためには、仕事の優先度を考慮して、優先度の高いものに一点集中して成果をあげる必要があります。
重要でない業務を捨てるというのは極端すぎる話で、『とりあえず期限までに60点で仕上げる』と決め込んでしまう。
これが業務におけるトリアージです。
上司の威厳を保たなくてはいけない。と見栄を気にしてしまうことはあるでしょう。
ただ、それは本当に重要な業務にとっては邪魔にしかならないものです。
優先度を判断する上で、『業務Aは重要だから早くしっかりやらなきゃ!』ではなく、『業務Bは優先度低いから一旦ステイ!一旦忘れる!』くらいにした方が、業務Aに集中で、高い成果を出せるのではないでしょうか?