おまえ、やれんのか?という上司の圧

新しいジョブ、納期、役割など、仕事をする上で確実に達成できる目標なんてないでしょう。
それはお客様であったり、トラブルであったり、自分でコントロールできない範囲、つまり不確定要素が存在するからです。
不確定要素がある以上、その目標を達成できるか否かは、最後までわからないものです。
そんな事象に対し、上司から『お前、やれるのか?』と聞かれたことはないでしょうか?
この質問に、どのように返答すれば良いか迷ったことはありませんか?
今日は、この質問の意図を紐解いていくので、回答に悩む人の参考になれば幸いです。
やれるのか?の答え
不確定要素がある以上、やれるのかに対しては『わかりません』というのが回答でしょう。
この答えは正しくありません。
というより上司の期待する回答ではありません。
わからないのは百も承知
よほど無能な上司でない限り、不確定要素があることは、上司も理解しているでしょう。
それを分かった上で質問するのその意図は、『あなたのジョブや役割に対する覚悟』です。
結果責任は上司、遂行責任は部下にある
上司は責任を取る人というのは事実です。しかし、部下はこれを履き違えてはいけません。
上司は、目標に対する結果に責任を持つことになりますが、部下は上司の指示に対して実行する責任があります。
この実行責任を果たせない部下に、その道のプロでいられる資格はありません。
この責任の切り分け理解をしっかりしておくべきです。
遂行責任の確認
つまりここまでの話、『おまえ、やれるのか?』という質問は、最後まで遂行責任を果たす覚悟があるのか?という確認です。
上司は結果責任に加え、任命責任もあります。結果にコミットするための人選する以上、覚悟がない人には任せられません。
育成のためのアサインも大切です。しかし、自己成長の覚悟がない人にその機会を与えるでしょうか?
つまり、遂行責任の確認と、将来性の見極めを同時に行なっている可能性が高いです。
できます!やらせてください!
という即答が必ずしも正しいわけではありません。重要度の理解が不十分なままの即答は、考えなしの無責任がちらつく場合があるからです。
特に30代を過ぎたあたりにアサインされるものは、少なからず重要度が増し、パワープレイだけでは達成できないこともあります。
ベストアンサー
私の考えるベストアンサーを述べます。
まずは回答せず、『ざっくりジョブの概要と私の役割を教えてもらえませんか?』と聞き返し、上司と自分の目線を揃えます。
フリでも良いので、まずは概要を理解し、重要な役割であることを理解したという意思表示をします。
その上で、『わかりました。やってみます。困ったことがあったらすぐに相談してよろしいでしょうか?』と回答します。
上司は相談に乗る責任があるので、これを撥ねられるようであれそれは組織に問題があります。
困り事を放置せず、ジョブの達成にコミットする意思が確認できれば、上司は安心します。
さらに『初めてでよくわからないので、明後日までに理解を深めてきます。私の理解が合っているか確認したいので、朝のミーティングのあと15分ほどお時間頂けないでしょうか?』と付け加えるとさらに良いでしょう。
不安はあるけどやってみる=正直かつ誠実
明後日までに=スピードを示す
朝のミーティング後15分間=具体性
スタートとゴールの意思の統一
これらを一括できるアンサーです。
上司も安心したい
上司も人間なので、目標達成には不確定要素があり、不安になります。
さらに人に任せると不確定要素が増えるので自分がやった方が早くて確実というのはよくあること。
しかし,組織として成果をあげる、組織の成長とために人に任せることは必要不可欠です。
せめて遂行する人間の覚悟があれば、上司も手厚くフォローし、目標達成のために支え合っていけることでしょう。
組織の醸成は、小手先のスキルよりも『覚悟』が1番先に立つと私は思っています。